ARCHITECTURAL PHILOSOPHY
設計の考え方
人を知り、土地を読み、建築を考える。
住まいを設計することは、そこに暮らす人が、どのような日々を送りたいのかを考えることです。
家族と食卓を囲む時間、一人で本を読むひととき、友人を迎える休日。大切にしたい時間は、人によって違います。
住む人の思いと、その土地の自然や風土。
その両方に向き合い、光や眺め、木々や地形と暮らしがつながる建築を考えます。
人と自然と建築が、互いのよさを生かし合うこと。
そこに暮らす喜びが、年月とともに深まること。
私たちが、住まいの設計で大切にしていることです。
OUR CONVICTIONS
設計の根にある、四つの思い
人と自然、空間と構造、そしてつくり手へ。
暮らし
自然
空間と構造
大切にしたい時間を伺い、暮らしの変化も見据える
光や風、木々や地形を暮らしに生かす
木造の美しさと合理性を、心地よい空間につなぐ
光・眺め・家具・動線を、柱や梁とともに考える
つくり手
協業と設計教育を通じて、よい家づくりを広げる

01 / LIFE & TIME
暮らしと、時間
LISTENING / AN OPEN FRAME
大切にしたい日々から、住まいを考える。
写真:S CABIN
どんな日々を送りたいか、話すところから。
「明るいリビングがほしい」。同じ希望でも、朝の光の中で食卓を囲みたいのか、午後の窓辺でゆっくり過ごしたいのかによって、ふさわしい空間は違います。誰と、いつ、何をして過ごすのか。具体的な一日を思い描くことから、私たちの設計は始まります。
はじめから希望を整理しておく必要はありません。好きな椅子、今の家で気になること、旅先で心に残った場所。話を重ねながら希望を確かめ、図面やスケッチに描いていきます。提案を見て初めて気づく楽しみや、「少し違う」と感じることも、遠慮なく話していただきたいと思います。
暮らしの変化を受け止める、器をつくる。
家族が増える。子どもが巣立つ。働き方や好みが変わる。休日を過ごす別荘が、日々の住まいになることもあります。今の使い方を満たすだけでなく、その先も自分たちらしく住み続けられる家でありたいと考えています。
家具の配置や部屋の用途を変えても、光の心地よさや庭とのつながりが残るように。使い方を細かく決めすぎず、人が集まる場所と一人で過ごす場所を考え、長く付き合える空間の骨格を整えます。

02 / TREES & TERRAIN
森と、土地
SEASONS / READING THE SITE
自然と暮らしのつながりを、敷地から考える。
写真:S CABIN
落葉広葉樹のそばで、四季を楽しむ。
森の中で、私たちがとりわけ愛でたいのは落葉広葉樹です。春の芽吹き、夏の木陰、秋の紅葉。葉を落とした後には、枝の向こうから冬の光が届きます。自然を窓の外の景色として眺めるだけでなく、季節に合わせて光や過ごす場所が変わる住まいを考えます。
残す木は、姿の美しさだけで決めません。針葉樹も含め、根の張り方や幹・根の傷み、地盤、風当たり、建物との距離を確かめ、必要に応じて樹木の専門家に相談します。工事で根を傷めないかにも目を向け、木を残すことと、安全に暮らし続けることを合わせて考えます。
土地の高さから、建物と庭の関係を考える。
傾斜地では、道路からどの高さで入るかによって、玄関や床の位置が変わります。床を上げて森を眺めるのか、地面に近い高さから庭へ出るのか。敷地と建物の高さを断面図に描き、室内からの眺めや、庭までの歩き方を確かめます。
光や風、眺めとともに、水の流れ、道路との関係、工事のしやすさも大切な条件です。大きく地形を変える前に、その土地を生かす建て方を探す。建物と庭を別々にせず、暮らしの場所として一緒に考えます。

03 / SPACE & CRAFT
空間と、つくり手
WOOD / STRUCTURE / DETAIL
美しさと合理性を、暮らしの心地よさへ。
設計者:和氣正頼
空間と構造を、切り離さずに考える。
窓から何が見えるか。椅子に座った目線がどこへ向かうか。食卓から台所へ、庭から室内へ、どんなふうに人が動くか。私たちは、暮らしの場面と空間の寸法を行き来しながら設計を考えます。
その心地よさを、柱や梁、屋根の構成とともに考える。日本の木造建築が培ってきた知恵を、現代の住まいに生かしたいと考えています。空間と骨組みが無理なく結びつくことは、つくりやすさや材料の使い方を考えることにもつながります。
開放的な場所と、落ち着いて過ごせる場所。窓を設けるところと、壁を残すところ。見た目だけで決めず、使い心地、構造、施工のしやすさ、費用や手入れも視野に入れて判断する。その理由を、住まい手にもつくり手にも伝えられる設計を目指します。
つくり手とともに、よい家づくりを広げる。
建築は、設計者だけでは形になりません。協業する設計者や施工者、職人の知恵と技術が必要です。設計の意図を伝え、互いの専門性を尊重することを大切にしています。
この考え方は、住宅デザイン塾での設計教育にもつながっています。住宅設計の実務者や建築を学ぶ学生に、木造住宅の設計技術と、住まい手に向き合う姿勢を伝えています。
目の前の住まいをよく考えることと、次の家づくりを担う人を育てること。その両方を通じて、心地よい暮らしと、日本の木造建築のよさを、次の世代へつないでいきたいと考えています。
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